2019.11.19

第119号:安定成長する会社は的確な指示を出す。先細りする会社は部下に丸投げをする

「お陰様で、計画通りに利益を出せるようになってきました。現場の数字を把握することで経営が楽しくなり、自信もついてきました」
こう話すのは食品メーカーの経営者です。

以前、この経営者は数字に対して苦手意識があり、どんぶり勘定で経営をしてきました。年々、お客様からの値下げ要請が厳しくなるなか、売上を維持するために営業マンがやむなく値下げし、お客様の要望に応えていました。経営側としては今のままではいけないと思いながらもなすすべがなく、現場の状況をただ見守るしかない状態でいました。

しかし、現場の営業マンたちが頑張れば頑張るほど、会社の状況は厳しくなっていきました。一件あたりの利益率の低下をカバーするために新規開拓をし、それによってむしろ利益が上がらず、作業が増えていっていました。そして現場業務はますます多忙になっていったのです。

現場の営業マンたちが頑張れば頑張るほど、会社の状況は厳しくなっていく、その理由は?

数字に対する認識が弱いことで、現場の営業マンは利益よりも、売上が高いお客様を優先して活動していたのです。売上の高いお客様からの値下げ交渉や要望に応えることで、会社が利益を出しにくい体質になっていたのです。

そんな状況から脱却するために、自社の経営を、あらゆる角度から数字で分析することを行いました。そしてその中の3つの数字にこだわり経営改善を成功させました。

3つの数字とは、
①適正利益率
②標準労働生産性
③適正価格
です。

この3つの数字を軸に、既存のお客様を「育てる得意先」「攻める得意先」「守る得意先」「捨てる得意先」の4つに分類。そしてその得意先ごとに対応基準を明確にし、現場に行動をさせたのです。

3つの数字と経営改善

例えば、「責める得意先」に対しては積極的に訪問し提案を強化。
「守る得意先」はお客様から値下げ要請があっても対応しない。
「捨てる得意先」は値上げ交渉をする。
といったことです。

このように数字を基準にお客様対応を見極め、現場に指示を出し、売上中心の活動から、生産性中心の活動に組織を転換させました。

明確な数字を基準に判断することにより、現場の営業マンはどこに時間を使うべきか明確になり、利益を生み出すために的確に判断して行動ができるようになったのです。

あなたは現場に丸投になっていませんか?
自分の経営を見直してみることが大切です。

画像引用:photo AC

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