2019.11.19

第111号:一流の経営者は売れる仕組みを作る。二流経営者は営業マンを育てる

ある工務店の経営相談のときの話です。

「このところ、見込客からの契約率や契約単価が落ちてきています。営業マン教育に力を入れていますがなかなか思うようにいきません。どう改善したらよろしいでしょうか」

情報過多の時代の営業マン教育

ニーズが多様化し、情報過多の時代となり、消費者も購入の意思決定をするまでに様々な比較検討をするようになりました。住宅においても、購入までの時間がかかるようになっています。見込客の段階から成約に至るまでの期間は長く、購入の意思決定要因は商品や工務店の善し悪しだけではなく、自分に合ったライフスタイルそのものを模索する方も増えています。

したがって、営業の現場もとても複雑になっています。先のような外部環境の変化に対応すべく営業マンを育てようとしても、なかなか良い営業マンが育たないのが現実です。さらには、今後ますますニーズの多様化も進み、競合他社との価格競争も激しくなる中で、今までと同じように営業マンを育成しようとするだけでは、経営が厳しくなっていくことは目に見えています。

改善すべき経営課題は、営業マンを育成することではなく、売れる仕組みづくりに力を入れることです。

売れる仕組みづくりと営業プロセス

営業における売れる仕組みづくりを考えてみると、営業プロセスは「見込集客」「見込育成」「プレゼンテーション」「クロージング」の4つのプロセスで構成されます。この4つのプロセスの中で「見込育成」のプロセスが大きく変化してきています。「見込育成」の期間が以前に比べ長くなり、検討課題も複雑化してきているのです。

その期間に営業マンが必要以上にしつこい対応をすれば、お客様の心は離れていきます。しかし、放置状態にしていると忘れられてしまいます。実は、この「見込育成」を営業マンに行わせるのでなく、仕組みで対応することがポイントです。
お客様の立場からすれば、いつどこで購入するかを決めてかねているので、しつこくはされたくない、しかし情報は欲しいということで、ネットで情報を検索したり、会社の評判を調べたりしているわけです。そのような時に、お客様が欲しがるような情報を的確にネット上にアップしたり、お客様のタイミングに合わせて参加していただけるイベントやセミナーなどを開催すれば成果につなげていくのです。

見込客育成とニーズに応える仕組みづくり

こうした取り組みをしている会社はたくさんあるのですが、意外と結果につながっていないのも現状です。それは、ペルソナ(最重要顧客)が設定されていないことが大きな原因です。ニーズが多様化している時代は、ただ単に情報を載せているだけでは「見込客」を育成することができません。見込客を育成するためにはお客様のニーズに的確に応える仕組みがなければいけません。

営業マン育成に悩む方は、急いで売れる仕組みづくりに意識を切り替え、仕組みづくりを早々に構築することををお勧めします。

画像引用:photo AC

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