第142号:一流の経営者は知識を生かす、二流の経営者は知識に振り回される
経営者が自ら積極的に学ぶことはとても良いことなのですが、残念ながら、その学びを実践に落とし込むことができない経営者が大勢います。
私はそうした経営者からの相談をよく受けます。
同じことを学んでも、その学びを生かせる人と生かせない人がいるのですが、その違いはどこにあると思いますか?
それは、学ぶ目的にあります。
目的が明確な経営者は学びを深めることができ会社に落とし込むことができる!
一流の経営者は自社の目的を明確にして、そこに向かう上での問題点を改善するために学びます。そうすると、経営者が学んだことが会社の目的に向かうためのヒントになるため、現場スタッフも一緒に実践して目的を達成しようという意識が高まっていきます。
さらに、目的が明確な経営者は学びを深めるごとに会社の目的に向かう行動が明確になるため、スタッフの学びに対する意識も高まっていきます。
一方で学びを生かせない経営者は、自分の目的が曖昧で、目先の売上確保のために、周りの評判がいいからとか、知人から紹介されたからといった場当たり的なきっかけで学びます。
その場当たり的な学びを会社に持ち帰って落としこもうとするため、社員は振り回されていくのです。場当たり的な学びは経営を複雑にし、現場を疲弊させる原因になるだけです。
企業経営の目的は、企業の存在意義(ミッション)の確立です。その存在意義を高めることで顧客満足も高まり、収益性も高まっていくのです。
経営に答えはない、だた目的と行動の選択だけ
経営に答えはないのです。あるのは、自社がどういう会社になりたいのかという目的と、そこに向かうために何を改善したら良いのかという行動の選択だけです。
しかし、経営に行き詰まりを感じている経営者の多くにあるのは、経営に目的を持っていないことによる行動の戸惑いです。
消費者ニーズが多様化している現代において、
誰のために自社は存在しているのか?
世の中のどんな問題を解決していきたいのか?
ここに経営の目的を持つことで、自社は何をするべきか、そのために何を学ぶべきかが明確になるのです。
まずは自分の目的に向き合うことから始めてみましょう。
画像引用:photo AC