客単価を1.5倍にあげた飲食店の商品開発
あるイベリコ豚専門店さんの商品開発ですが、お店の主力商品は豚しゃぶだったんです。なぜ豚しゃぶかって言うとやはり一番人気があるからです。
皆さんも良く一番人気のある商品を主力商品に持ってきたり、または流行りの商品を持ってきたりということがよくあるのではないかと思います。しかし、これをやることによって実は印象に残りにくかったり、顧客満足度が高くならないことがあります。
ある飲食店の商品開発とは?
そこでまず始めたのはそのお店のミッションづくりです。ただ単に「売れる商品を売ればいい」ということでは選ばれ続けるお店にはならないんです。そもそも自分たちは「誰のために」「何を提供したいのか」ということをもう一度見直しました。
この店は日本にイベリコ豚を初めに輸入した会社なんです。その時、どんな思いでこのイベリコ豚を日本の人達に案内したいと思ったのか、そしてこの味はどんなところが美味しいと感じて提供したいと思ったのかということをもう一度見直してきました。
そうしていく中で、やはりこのイベリコ豚はですね、特に生ハムなんかは世界一と言われる四年熟成で、しかもナポレオンやマリーアントワネット、王侯貴族たちが愛したとても歴史がある。
そして丹精込めて作られた商品だと、この商品に出会った感動をみなさんに伝えたいということをそのミッションを思い出し、そして主力商品は豚しゃぶから世界一と言われる生ハムにしました。
売れる商品が良い商品ではない!価値が伝わる商品を選ぶことでファンが増えた!
もともと生ハムは、非常に高級であり、それほど売れてたものではないです。しかしその商品の裏にある背景をお店でたくさんのストーリーを伝えていって、この商品はどのような歴史があるものなのかという案内をランチョンマットであったり、お店のいたるところにそういったストーリーを貼り付けました。
そしてこの生ハムを注文した方には、お客様の目の前でカットしながらこの歴史を伝えるようなサービスも行いました。
さらにこの生ハムを一本なんと25万円でキープできるというサービスも行いました。これによってこの商品の価値がしっかり届くようになってお客様に売れる商品になっていきました。何と生ハム1本25万円という金額に関わらず順番待ちという状態になっています。これによって当然この生ハムに合うちょっと高級なワインも出るようになり、客単価を1.5倍に上げたのです。さらに他では体験できない商品との出会い、そして楽しい時間を提供することで非常にリピート率も上がってきているんです。
このようにたくさん売れる商品が良い商品ではない、しっかり価値を伝えることで客単価は上がっていくということをお伝えしました。
あなたもまず自社にとって「どんな商品を」「なぜ販売したいのか」ということをもう一度考えてみてはいかがでしょうか。